鴨居
@benjaminkrtizer
哲学者・書評家/会社員(記者・編集者) 読んでいる本、街と自然の写真、ときたま映画やテレビの感想なんかを呟いていきます。 著書:『モヤモヤする正義:感情と理性の公共哲学』(2024/9/25 発売しました!) https://x.gd/BvKrY 『21世紀の道徳:学問、功利主義、ジェンダー、幸福を考える 』(現在4刷) https://x.gd/veSGl 連絡先:davitrice0102@gmail.com
鴨居
近頃町田
デー
ほんとうはウィキッドではなくブルームーンを見に行きたかったんだけど、上映館も本数も少な過ぎるので嵐が丘との両立ができないことから、泣く泣く諦めたのです。
分かり過ぎる→分かりやす過ぎる
個展→古典
第1作目が面白かった『ファンタスティック・ビースト』が2作目の時点で伏線や設定の撒き散らしと回収を忙しくなく行うのに終始していたのを観たときと同じようなガッカリ感や残念感…。原作があるとはいえ、1作に収めるか話をぶつ切りにして2作目は最初から作らなかった方が良いレベルだと思います。
お話の内容がご時世にマッチしているとか、動物倫理の要素が濃いとか、そういうメリットもあるとはいえ、ダメさを埋め合わせられるほどのものではないし…。
『ウィキッド 永遠の約束』★★:ミュージカルや音楽が冒頭における前作の振り返りメドレーと、あとはせいぜい魔女狩りのチャントをしているところくらいしか印象的でない、というのがダメ。青春や学生時代が舞台だった前作と違い楽しい箇所がないお話だとは言え、ミュージカル映画なんだからまず第一にミュージカルと音楽をがんばってくれよ…。
ストーリーも登場人物たちが痴話喧嘩し過ぎだし、有能な主要人物数人としょうもなく情けない脇役連中との扱いの差が露骨過ぎだし、原作『オズの魔法使い』の主要メンバーの人間性や設定を軽視し過ぎだし…グリンダが大半の場面において魅力的であることを除けば褒めるところがほとんどないです。
召使に首を言い渡すときのマーゴット・ロビーが黒いドレスに角生えたみたいな髪型と「いまは悪役です」と丸わかりなところとか、くだらなさと紙一重なキッチュさがよかったです。あと冒頭の子ども時代の描写はエネルギッシュでよかったし、子ども時代をもう少し長く描いてほしかったくらい。分かり過ぎるくらいタナトスとエロスを表裏一体のものとして描いているところも面白いです。
数年前の自分だったらヒースクリフとの不倫描写にインセル的な感情が刺激されていて主人公のこと嫌いになっていただろうけど、もういい年齢だし落ち着いているのでそういうことはなくフェアに登場人物たちを眺められました。金持ち旦那の妹は可哀想だったが…
擁護→用語
ブゴニア、監督のヨルゴス・ランティモスも制作に携わっているアリ・アスターも奇をてらいたがるだけで責任感のない大人としてしょうもない人物なんだな、としみじみ思った。後者は『エディントンへようこそ』に続いて直近2連続だし、前者は『哀れなるものたち』も大して面白くなかったんだからエマ・ストーンはこいつの映画に出るのもう止めてくれよ、と思いました。
『嵐が丘』★★★:なんせテンポが良く、音楽も現代的、自然や建築物の描き方はどぎついが派手、衣装も時代考証ガン無視、そしてエロス展開てんこもりと、と濃い味付けまみれなおかげで個展が原作の映画なのに飽きることなく見れてよかった。
往年の俳優が天草出身という設定からキリシタンに行くかと思えばふつーに神道で主人公もなんか神道に感銘を受ける、というのもありきたり感があったな。
『ブゴニア』★★:途中まではサスペンスや心理戦もしっかり描けていたり、エコーチェンバーとかのイマドキな擁護もいっぱい出てくるのがよかったけど、(20年前の映画のリメイクとはいえ)陰謀論を肯定するようなオチが最悪過ぎてダメです。現実の陰謀論者にエサを与えることにしかならないでしょ。「陰謀論ユーチューバーが頼れる味方になる展開が多過ぎる」問題といい、2期トランプの前に制作進行したといっても1期トランプは経験済みのはずなのにこの危機感や責任感のなさは…
特に日本映画っぽいと思ったのが、性風俗している女の人が信頼できるお助け相談役ポジションとして出ているところ。主人公は稼げてなさそうなのによくそんなホイホイ風俗いける金があるなと思うし、白人男性なんだからTinderやっとけよって思うし、あと外国人の友人がほとんどいなさそうなのにも違和感(東京だったらすぐにコミュニティ見つけられるでしょ)。
あと事務所の社長がサイコっぽい描写を入れたりしているのに、レンタル・ファミリー事業を廃業するというのではなく、問題だけ解決してみんなで和気あいあいと続けます…というオチもなんか日本のしょうもないドラマや小説にありそうだなと思った。
昨週の日曜日、そして今週の土曜日(昨日)はどちらもTOHOシネマズ鴨居(ららぽーと横浜)にて映画を2本立て。しかし4本観ても4つ星(5段階評価)を与えられる映画が無くて徒労感が…。
『レンタル・ファミリー』★★★:なんせ日本が舞台で主人公は小田急沿線に住んでいる設定なので知っている風景が多いのがよかった。快速で代々木上原まで1駅だから下北沢近辺に住んでいるはずだけどあんまり下北沢っぽくはなかったかな。2回登場するバーの立地が自宅周辺にあるのか有楽町のあたりなのかもよくわからなかったな。
お話としてはいかにもな日本映画という感じで、脚本に海外の人が加わっているらしいことのほうにびっくりした。
私を構成する9つのマンガ #9koma 9koma.locale2.net/share?m=C257...
我ながらおもしろみのないラインナップ…!(『鉄鍋のジャン』だけちょっとユニークか)。
いま9大好きな漫画を選ぶならワンピースやジャンを外してワールドトリガーやハイキュー!!を入れるところだけど、あくまで「私を構成する」だとこれかな。
そして選択不可だった10つ目はぶっちぎりで『胎界主』です。
あまりに良かったので、『若い読者のための心理学史』を新品で購入してしまい、『音楽史』『美術史』『考古学史』『宗教史』も中古品をかき集めてしまって、わたし個人の経済的には大打撃に…。
まあいらんかなと思ってスルーした『アメリカ史』はともかく、おもしろそうな『科学史』も含めて中古市場では高騰しているのが多いみたいね、
ケインズ派の考え方の紹介が数章に渡っており充実していること、後半では貿易や開発に関する経済学の紹介も多いことや金融危機の問題が数章に渡って触れられていることが特徴的か。なんとなく、ミクロよりもマクロ派な経済学の議論が多いような気がするけど、普段触れる本はミクロ経済学よりなことが多いのでこれもまた新鮮です。
経済学とは「情報」に関する学問でもあるんだな、と認識できる章も度々あった。また第一章と最終章で「冷静な頭脳と温かい心」のフレーズが繰り返されているところや、索引に示されている人名の登場回数から見て、本書の主役はアルフレッド・マーシャルですね。
著者は経済学の素養はしっかりあるが、本書では不平等の問題や金融危機が強調されていることからおそらくリベラル・左派寄りで、自由放任主義や資本主義万能派なタイプの経済学者に対しては厳しい気持ちを抱いているであろうことが推測されるんだけど、あくまで「経済学史」なので各思想家や学者の紹介にあたっては時代的な状況や当時のその人自身の問題意識から見ていくことが大切、というフェアなスタンスが貫徹されているところがよい。
それだけでなく、どの章でも経済学の「考え方」の一部がしっかりと説明されており、「経済学入門」としても一級品な内容の本であるところが素晴らしいです。
『若い読者のための経済学史』 ナイアル・キシテイニー
www.subarusya.jp/book/b345585...
2月20日に読み始め、3月4日(水)に読み終わり。
原題はLittle Historyだが、各章の記述がページ数のわりに過不足なく充実しているため内容は濃く、読み進めるのには時間がかかる。しかし時間をかける価値があるだけの良い本です。
タイトル通り「経済学史」なので、基本的には古代から現代まで年代順に経済思想家・学者が紹介されていくんだけど、①時代状況、②思想家・学者の問題意識、③思想家や学者が提唱した経済学の理論や考え方…の3点が、どの章でもしっかり解説されています
カントが最も主に登場する哲学者で次いでマルクスとアダム・スミス、プラトンとアリストテレスも度々登場するが著者が向ける視線はけっこう厳しいところが印象的。
労働における「疎外」とはなにか、というマルクスの議論も、改めて読み返してみるとかなりわかりやすく解説されているかなと思った。
哲学者らしく自己啓発本やビジネス書を批判する一方で、著者の人間観も浅かったりするな、と思わされる箇所もちらほら。「給料は“他人と比べて”どれだけ多いか少ないかが重要に思えてしまう」とか「いまや個人主義であることの方が多数派になった」とか、もっともらしく言われることが多いけど、自分は全然ピンとこないんだよね。
第2章「仕事と意味」が本書の本丸的なポジションに位置すると思うけど、先日も書いたように、特にこの章の議論は生成AIの浸透後には厳しいものが…。
7章「飽食の時代の仕事」も先進国においては貧困は深刻ではないことや今後の世界経済の安定性を前提としていて、さすがに通じない。
9章「仕事の終焉?」は、技術革新によっても仕事が消えることはないとの指摘自体は正しいものの、新たな時代の仕事は過去におけるレジャーのようなものになるだろう、との指摘はやはり楽観的に過ぎる。
とはいえ、「仕事の割りふり」「管理されること」「給料をもらうこと」など章立ての視点もユニークで、独特な面白さを持つ本だと思います。
『働くことの哲学』ラース・スヴェンセン
www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-978...
21日(土)に読み始め、24日(火)に読み終わり。
『21世紀の道徳』でも取り上げた本だけど、改めて購入して読み直した。
サラ・ウォースの『食の哲学』と同様、私たちの人生において大きなウェイトを占めるトピックについて、理論的になり過ぎず思想史的な解説にもこだわり過ぎないエッセイ調でありながらも、アカデミズム外を含めた読者にも哲学の面白さをしっかり味合わせる内容の本です。
一方で、10年以上前に書かれたがゆえに「楽観的」なトーンが現代の情勢と乖離し過ぎている問題が…
「犯罪は戦後しばらくは豊かになったにもかかわらず各国で増加していた」という意外な問題の原因を探るパートや、犯罪機会論・インフォーマルな社会統制・状況的犯罪予防・再被害化…といった用語が登場する、いかにも犯罪学らしいパートもしっかりあります。
特定の場所で犯罪を防げたと思っても犯罪者は別の場所で同じ犯罪を犯しているだけかもしれない、という転移の問題は言われてみたら当たり前だが盲点であるなと思った。
統計について慎重な懐疑主義というスタンスを取ったり、犯罪の減少(または戦後直後の増加)について複数の原因を挙げながらどれとも断定しないスタイルはバランス感覚が見受けられてよいです。
左派的な視点が強調されているともいえるんだけど、どんな行為が犯罪になるかという定義やそれに対する罰などの刑事司法制度は時代や場所によって大きく異なり得る相対性があることが冒頭から説明されているので、この問題意識もすんなり飲み込める。
実証的なパートでも収監率や犯罪対策の「厳しさ」が実際の犯罪率の減少や犯罪予防にはつながっていないことがきっちりと指摘されている(またアメリカの刑事司法が先進国の中でも際立って厳し過ぎ特異かつダメダメであるという問題も…)。
欧米では1960年代には「更生」の理念が強かったのがその後は自己責任論が浸透して厳罰が支持されるようになった、という指摘もなるほどと思った
『サイエンス超簡潔講座 犯罪学』ティム・ニューバーン
www.newtonpress.co.jp/book/other/2...
2月19日に読み始め、20日に読み終わり(木~金)。
犯罪とは何か、誰が行うのかという定義や本質面から、どのように計測するのかとか増加したのか減少したのかという統計的なポイント、コントロールや予防という対策の仕方など、犯罪学という学問で扱う事柄が過不足なく説明されてます。
印象的なのは「権力者による不法行為は犯罪と見なされづらい」という問題がたびたび指摘されたり、不平等・不公平など社会の構造的な問題を放置して犯罪対策に熱をあげることの問題が指摘されている点。
そしてお礼が遅くなり大変失礼いたします。
誕生日に某先生から『今夜ヴァンパイアになる前に:分析的実存哲学入門
』(L.A. ポール)をほしいものリストからいただいておりました。ありがとうございます。実存哲学はずっと興味あるので…
www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978...
『麦とTwitter―情報技術がもたらすコミュニケーションの変容―』(共立出版)、著者の久木田 水生先生から献本いただきました。ありがとうございます。
www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b101556...
情報技術や諸々のプラットフォーム・メディアの問題には色々と関心を抱いているので読んでいきたいです。
太田出版から『なぜ男は救われないのか』(リチャード・V・リーヴス)を献本いただきました。ありがとうございます。
www.ohtabooks.com/publish/2026...
こちらは経済学や社会科学であちらは心理学とジャンルはやや違うが、『男はなぜ孤独死するのか』(トーマス・ジョイナー)と同じく実証的なアプローチから「男性問題」を扱う本のようで、楽しみです。
以前に献本いただいた『男性学入門 そもそも男って何だっけ?』や『ラディカル・マスキュリズム:男とは何か』(周司 あきら)と合わせて読んでいきます。
#My9Games #私を構成する9つのゲーム
①ファミコンウォーズDS
②ファイアーエムブレムif 暗夜王国
③カルドセプト リボルト
④やわらかあたま塾
⑤脳を鍛える大人のDSトレーニング
⑥ロックマン&フォルテ
⑦Sa・Ga2 秘宝伝説(GB版)
⑧ペルソナ5
⑨逆転裁判シリーズ(GBA~3DSのナンバリング)
それぞれ思い出はたっぷりあるんだけど詳細はまたいつか…。
特に①、④、⑤はデバックバイトの時代に1日7時間週5日やらされていた時期もあり、名実ともに「私を構成するゲーム」です。④と⑤のおかげで脳が開発され、それ以前の自分とは別の人間になっている気もする。
#My9Games #私を構成する9つのゲーム
①ファミコンウォーズDS
②ファイアーエムブレムif 暗夜王国
③カルドセプト リボルト
④やわらかあたま塾
⑤脳を鍛える大人のDSトレーニング
⑥ロックマン&フォルテ
⑦Sa・Ga2 秘宝伝説(GB版)
⑧ペルソナ5
⑨逆転裁判シリーズ(GBA~3DSのナンバリング)
それぞれ思い出はたっぷりあるんだけど詳細はまたいつか…。
特に①、④、⑤はデバックバイトの時代に1日7時間週5日やらされていた時期もあり、名実ともに「私を構成するゲーム」です。④と⑤のおかげで脳が開発され、それ以前の自分とは別の人間になっている気もする。