やっと電話が通じるようになったからお前に連絡したんだけど、雪に閉ざされた山荘でさ、みんな殺されて一人だけ生き残ったら、普通そいつが犯人だよな。でも僕は犯人じゃないんだよ。少なくともそんな記憶はない。お前なら何かうまく推理できないか。ミステリ好きだろ。あ、警察来た。
#140字小説
再掲です
やっと電話が通じるようになったからお前に連絡したんだけど、雪に閉ざされた山荘でさ、みんな殺されて一人だけ生き残ったら、普通そいつが犯人だよな。でも僕は犯人じゃないんだよ。少なくともそんな記憶はない。お前なら何かうまく推理できないか。ミステリ好きだろ。あ、警察来た。
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かわいくない猫というものは存在せず、つまり『猫』という単語の中にはすでに『かわいい』が内包されているので、『かわいい猫』と言うと意味が重複してしまうのだが、『ああ、とてもかわいい存在であることだなあ』という詠嘆の意味を込めるという理由をもって重複することが許されている
富山県の寿司PRサイト、下の方に魚津水族館のリンクバナー貼ってあるのがちょっとじわじわきてる
www.pref.toyama.jp/sushitoyama/
人類の歴史は、水槽が狭くなってきた魚が見た夢だったのだろうか?
『あなたがこれを読んでいるということは、私がもうそこにいなくて、そしてあなたはちゃんとした生活をしているということね。どうか私を安心させてね。手紙は他にも隠してあるから楽しみにしてて。あなたの妻より』その手紙は、ゴミパックを替えるために開いた掃除機の蓋の裏にあった。
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悪友と悪戯して化け猫に捕まった。「お前は飼い猫を大事にしてるな。許そう」一人は解放された。「お前は前に溺れた猫を助けたな。許そう」もう一人も解放された。残る僕は。「お前は」僕も解放された。化け猫の言葉の意味がわからない。「今世はヒトとして幸せに生きているようだな」
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かにが
天空のかに カニ
「惚れ薬を作ってくださいな」「あんたみたいな美女がどうしてまた」「必要なんです。とびきり強いのを」こっちも商売だから作って売った。のち、何人かの若者が岩や鳥や馬に惚れて奇妙なふるまいをしたという噂を聞いた。それまでは皆、一人の美女にしつこく言い寄っていたという話だ。
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馴染みの古本屋から「あんたがずっと探してた本が出たよ」と電話があった。いい知らせだと思った。しかし、「他にもあんた好みの希少本が大量に入ったよ」と幾つものタイトルを読み上げられて、これは悪い知らせだったと悟った。何年も連絡が途切れていたかつての友人が、亡くなったのだ。
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「既にあるこの本、世界中に翻訳されているこの物語を、別の物語に変える魔法がある。教えてやろうか?」叔父さんは十歳のあたしに少し笑ってこう言った。「十年後にまた読め」
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「最近あいつ見ねえな」「あいつ、タヌキのくせに人間に惚れちまったらしいぞ」「まじで」「タヌキじゃ一緒にいられないから、化けてその人間の家に押しかけたらしい」「すげえな。でもずっと人間の振りを続けるのも難しいぞ」「いや」「いや?」「猫に化けたそうだ」「なるほど?」
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「地獄も人手不足ならぬ悪魔不足でな」と悪魔は言った。悪魔を呼び出す儀式を行った私の前に現れたのは悪魔ではなく人間で、互いに「何だこれ」と顔を見合わせていたら本物の悪魔が現れて説明したのだ。「悪魔に空きがなくて、自動的に地上の『悪魔みたいな奴』が呼び出されちまった訳だ」
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謎が深まる地下ブルースカイ
地下ブルースカイにはお蕎麦もあるのですね……
なっ 地下ブルースカイ落ち……!?
「ここ(杉林)が林ですって? ここはお墓よ、あなた(花粉症)と私(花粉症)の」
全力疾走でした…(やっちまった)
0時の鐘が鳴りはじめると同時にダッシュすると、すぐ隣を同じく全力失踪している青年がいて、貴族のような装いをしてはいるが足元は私と同じガラス製の靴で、二人で目が合って笑いあって、追っ手を振り切って駆け抜けて、そしてもう私たちは靴を落としていく必要はないのだった。
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栗本薫はめちゃくちゃ読んだけどJUNE系はどうも駄目だった。「栗本薫好きなくせに?」と言われたこともあったけどどうも苦手だった。(BLはふつうに読めます)
溺死体を拾ってきた人魚姫「この足を抜いてな、この足を抜いてな、人間になろうと思うたのじゃ」
魔女「羅生門ふうに言われても」
タイムパトロール隊は外部の時間跳躍能力者に応援要請することがある。難事件の際など。「また彼女に頼むか」「彼女?」「いつも同じ時間と場所にいるからすぐ見つかる。連れてきてくれ」少女はいつもバンドハウスにいる。『それでは最後の曲です』好きなバンドの解散ライブに、常に。
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多感?な時代にめちゃくちゃ摂取してたのって栗本薫なんだよな私
弟の行きつけだった花屋に初めて足を運んだ。店員の青年が「もしかして……さんのお姉さんですか」と訊いた。「わかるの?」「顔が似てるから。花好きなお姉さんのためにって、よくご購入頂いてました」私は言わなかった。……いいえ。私ではなく亡き弟が。花ではなく貴方を好きだったの。
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「僕は人魚なのです」浜辺で会った魚は言った。見かけはただの魚だった。「体は魚で心が人なのです。そしてそのどちらにもなりきれない。だからさみしい」そうか、じゃあ僕も人魚なのかもと思った。体が人で心が魚なのだと。だから人になりきれないのだと。だからさみしいのだと。
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雪女に会ったことがある。雪女だという証拠はないが、間違いないと思う。南極調査の際、ペンギンの群の中に人間の女がいるのを見た。ノース何たらのウインドブレーカーに何とかマンの長靴という軽装の。「人間に疲れちゃったの」笑いながらかき氷を食べ、ペンギンの喧嘩の仲裁をしていた。
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「ようやくか」「めでたいのう」人類がフォーマルハウトへ到達できる技術を確立させた日、地球のあちこちで、魑魅魍魎ども妖怪ども悪神どもが万年の眠りから覚めた。ずっと待っていたのだ。人類が宇宙をわたる船を造るのを。それができればもう人類に用はない。「まずは地球の掃除じゃな」
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推理小説を書くのはもうやめると言うと、友人は「それは困る」と喚いた。僕の小説の殺人トリックはすべて友人が発想したものだ。「書いてくんなきゃ、俺、実際に試したくなる……」泣きながら言われて渋々もう少し続けることにした。後日、友人が持ってきたネタの被害者は推理作家だった。
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Xで、手当たり次第に若干イラッとくるクソリプを投げまくってる(しかしインプ稼ぎでもなさそうな)人なんなんだろう……